2014年11月20日木曜日

システム開発:プロジェクト体系

プロジェクト体系について

(1)計画
計画とは,プロジェクト目標に従ってプロジェクト全体を見通した
「対象範囲」,
「スケジュール」,
「コスト」,
「組織と要員」
を明らかにするプロセスのことである。

「プロジェクト目標の明確化」,「開発環境の最適化」,「開発方法論と工程の決定」,「見積り」,「リスクの識別と対応策の策定」,「WBS(Work Breakdown Structure)とスケジューリングの策定」,「組織計画と要員計画」,「品質管理計画」,「文書化計画」,「教育計画」,「システムの大まかな稼働計画」などを決める。
これらの計画は,「プロジェクト計画書」と呼ぶドキュメントにまとめられる。

(2)トラッキングとコントロール
トラッキングとは,プロジェクトの状況と実績を,的確かつ継続的に把握することを指す。一方,コントロールとは,プロジェクトが計画から逸脱したときに適切な対策を講じることを意味する。
プロジェクトにおけるトラッキングの対象としては「品質」,「進ちょく」,「コスト」,「リスク」の4つがある。これらの状況と実績は,「プロジェクト報告」(週次報告,月次報告など)で共有する。

トラッキングとコントロールの基本的な方法は,「プロジェクト管理」の時代とあまり変わっていない。ただし,トラッキングとコントロールを効果的に実現するため,グループウエアを始めとするPMS(プロジェクトマネジメント・システム)を活用するのが最近の傾向だ。また,進ちょく管理の手法として,EV(Earned Value:出来高)で進ちょくを測るEVM(Earned Value Management)が脚光を浴びているのも,最近の特徴だ。

(3)リスク管理
リスクとは,プロジェクトにおける品質・納期・コストの目標達成を阻害する「潜在的な問題」のことである。プロジェクトの「リスク管理」とは,リスクを前もって予測し,現状のリスクを評価して危険度を定量化し,その回避策を作成・実行するプロセスを指す。

(4)契約管理
情報システム開発にかかわる契約の準備・締結から契約の履行までを管理するプロセスが「契約管理」である。顧客を対象にした契約管理だけではなく,協力企業との契約管理も行う。

「プロジェクトの計画」,「トラッキングとコントロール」,「リスク管理」,「契約管理」の各プロセスの結果は,すべて「プロジェクト計画書」にまとめられる。